A.全体が真っ赤に色づいた「ふじ」はおいしそうに見えますが、これは収穫前に色づきをよくするため、太陽光がよく当たるように実のまわりの葉をむしり取り、地面には反射シートを敷き詰めた結果です。ところが、葉からは光合成によって作られる栄養分が実に送り込まれていますので、日当たりをよくするために葉をむしり取ってしまうことで、実に蓄えられる栄養分が減ってしまいます。本末転倒だと思いませんか?
そして、実に送り込まれた栄養分は、実の中で果糖やしょ糖などの糖分に変換されて甘みになりますが、実が完熟すると、送り込まれた栄養分はそれ以上糖分に変換されなくなり、そのままの状態で水分を吸収します。この部分が「蜜」といわれるものです。
つまり「蜜」が入っているということは、栄養分をこれ以上糖分に変換する必要のない「完熟」状態であることを示しています。残念なのは、これを外側から見ることができないということです。
また、「蜜」の部分だけを食べてもさほど甘くはありません。「蜜」が甘いのではなく、「蜜」が入っている状態が実全体の甘さを示しているシグナルとなっているのです。
この写真のように、実の近くにたくさん葉っぱがあった方が、実に送り込まれる栄養分が多く、結果的に完熟状態になるのです。
「見かけ」だけにだまされないで下さいね。
A.一口に「ふじ」といっても、縞系と着色系とがあり、当園のふじは縞系です。着色系のふじは全体が真っ赤になって一見おいしそうですが、色で熟し加減が判断しにくい品種です。悪くいえば、色でごまかせる品種です。一方、縞系のふじは真っ赤にならずに、筆で描いような縦縞が現れます。また、着色系に比べて尻(実の底面)まで赤くなりにくいため、尻を見て実の熟し加減が判断できます。尻が黄色ければ熟しており、尻が青ければ今一歩というところです。
つまり、「蜜」の入り具合を尻の色で判断できるということです。
←筆で描いたような縞模様が特徴です
当園の縞系葉取らずふじ(左)とスーパーで購入した着色系ふじ(右)を比べてみました。
当園のふじは尻が赤く色づいていませんが黄色くなっています。
横に半分に切ってみました。
左が当園の「縞系葉取らずふじ」
蜜の入りが違います。
更に縦にも切ってみました。
同じく左が当園の「縞系葉取らずふじ」
尻のところにも蜜が入っています。つまり完熟状態です。
A.「贈答用」には実に傷がなく形もよい実を選別しています。
A.当園では保存用の冷蔵庫を備えていますので、例年4月頃までは在庫しています。ただし、遅くなってくるほど程度のよい実は少なくなります。
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